竹さん歩; もう一つの首都 SIMLA
アクセス:ニューデリーから、Simla行きのバスが出ている。


シムラの位置(デリーは赤線部分)

ニューデリーから北西へ上ったところにSimla(シムラ)という町がある事を知った。

ある年の5月 デリーは黄塵と猛暑で日中は外出が出来ない季節であった。

はじめてのデリーは 友人から紹介されたインド人の一室から始まった。

やがて一週間もすると、居候も気まずくなり、近所の貸し部屋を紹介してもらい移りすんだ。

なんてことはない。インド食に飽きて、自分でご飯を作って食べたくなっただけのことである。

部屋は2階建ての2階(インドでは1階=1Fと呼ぶ)を外階段で出入りできる。

2階は階下にすむ大家さんを太陽熱から守る砦の役割を兼ねている。

屋上から染込む5月の太陽熱は、2階に住むものにとって最悪だ。

外気が冷める日が落ちたあとも部屋の温度は下がらない。

ブリックとセメントで作られた建屋は太陽熱を十二分吸収し

天井や壁はオーブンのように熱がこもり、手を近づけただけでも熱が感じられる。

今でこそエアーコンやクーラーが簡単に手に入るがその頃はない。

寝る前に部屋の温度を下げようと床に水をまく。

かえって水分が加わることで蒸し風呂になる。=失敗、

暑いけど空気が乾いてるほうがまだましである。

ベッドシーツに水を含ませて体に巻いて寝てみるが効果はながく続かない。

うとうとしてる頃にはすっかり乾いてしまうからだ。

やがて寝不足が我慢の限界に達した頃、Simlaという避暑地があることを知った。

あの志村けんのシムラと同じ名前の避暑地である。当然名前は一回で覚えた。

事前にどのような場所かも解らなかったが、涼しさを求めて行くことに決めた。

その頃は、まだPCもなく、ネット検索なんてなかった時代である。

デリーの長距離バスステーションから涼しい、夢のような場所を目指した。

着いてみて驚いた、まずここもインド?かと思うほど緑が豊かで涼しかった。

前日の熱風/熱砂が嘘の様である。

 

山肌に沿って家々が建てられ独特な光景が見られる。

写真のように山肌にそって、ところ狭しと建物が並ぶ姿は、

まるで日本の温泉宿を思わせる。

ここは、デリーに住む人たちにとって軽井沢である。

 インド各地からのハネムーンの場所としても有名だそうである。

上記写真の天辺部にメインストリートがあり、土産店やレストランが並ぶ。

Simlaへは、ニューデリーや各方面からバスが出ている。

途中、チャンディガルという町を中継するが、ここもまた一風変わったまたきれいな

町並が見られる。箱型をしたビル郡が整然とならぶ。

フランス人の設計による街だそうである。

チャンディガルから更に北へ進むと次第に山々が現れて、

くねくねした道を登り詰めるとSimlaに着く。

ここは風光明媚な山の中の街は、ヒマラヤに続く山脈の一部である。

現地で見つけたホテルはこの傾斜面の裏側に位置する。

太陽光の恩恵を受ける南側が表なら、裏側は北向き。

希望はもちろん、南はお断り、北向きのホテルだ。

ホテルに向かう途中、すでに涼しさが感じられる。

チェックイン時に毛布を支給される。期待通りになりそうである。

やがて感激の夜を迎えるはずだったが今度はその寒さには閉口した。

昨日までのデリーではあんなにまで、寒い所を所望しておきながら、

毛布一枚では寒いじゃないか、、と文句さえでる始末。

だからといって綿布団が出るわけではない。

もちろん暖房はない。今は真夏、それに高級ホテルでもない

何もないベッドの上に毛布に包まり、枕を抱いて寝る。

今度はデリーが懐かしくなる。まったく馬鹿みたいなものだ。

その昔、ここはネパール領であったが、1819年にイギリス人が此処に眼をつけ

彼らの間で此処に家を作る事が流行になったのがそもそもの始まりだ。

そのうちに何らかの形でインド領にしてしまったそうで、

以後インド政府はここに夏だけ移動して政治を行うことになったという。

1864年にインドの夏の間の首都として宣言され現在はHimarchal Pradesh州 の首都、

冬には降雪もあり、一年を通じて緑に覆われたヒルステーションとして大人気。

また道中、すそ野のりんご畑の合間をぬってのバスの旅は格別である。



この斜面はヒマラヤ山脈の一部であることからも気温が低く夏でも25度を越えないし、

その夜は、毛布に包まらなくては過せないほど気温が下がる。

デリーの熱風から逃れてきた者にとっては天国である。

が、、よいことばかりではない。

水資源に乏しく水に恵まれないこと、物価が高いことであるからして、

やはり選ばれた人たちのみこの恩恵にあずかれる場所のようだ。

此処は、涼しい夏も大人気だが、さらに魅力なのは12月

そう、インドでもホワイトクリスマスが味わえる数少ない場所なのだ。

数日のバカンスをSimlaで味わって帰途に着いたが、あの熱風のデリーに

戻るには抵抗がある。そこで、途中のチャンジガルで宿をとることにした。

ここはバスの乗り換えの中継基地であったから、次のバスに乗らなければよかっただけのことである。 

初めての町で、バラの咲くガーデンを持つゲストハウスが見つかった。 続く