Discovery India


NEW DELHI に住む
   
猛暑と黄塵のニューデリー       photo

デリーでは、5月が近づくと熱風と黄砂が街を襲い、

それによって死者が出るほどの熱い季節が始まる。

エアコンのついてない車でさえ外気を遮るために窓を閉める。

サングラスにあたる風は砂の粒を巻き上げビシビシと音を立てる。

この時期のデリ−は暑くて、熱くてたまらない。

我が友人の父上はインド/パキスタン分離の際、着の身着のままパキスタンから

デリーへ逃れてきたという。 夏のデリーは余りにも暑く、暑さから逃れるために

日中は麻袋を水に浸し頭から被り、軒下でじっとして、体力の消耗を抑えたという。

 私もこの熱い時期 4月〜5月、ニューデリーにいて、極暑を体験した。

コンノートプレイスから少し離れた、オールドラジンダーナガーにフラットを借りていた。

直射日光の当らない一階は家主が住み、まともに日射の影響を受ける2階をテナントに貸し出していた。

これが大家さんの特権である。この家を買い取らない限り、涼しい1階には住むことはない。

インドでは、一階はグランドフロアー(GF)といい、二階は1st Floor(1F)と呼んでいる。

この時期、デリーの建物は日中は真上から、天井も壁も日射で熱せられる。

その暑さは夜になっても続く、部屋の壁などに体を近づけただけでも暑さを感じる。

ちょうど予熱をかけたオーブンのようだ。 陽が沈んでも床や壁の温度は下がらない。

当然、そんな夜は熱くて寝ていられない。

ベッドカバーも熱い、天上煽は熱風を掻きまわすだけで役にたたない。

ベッドに横になり、ジャブジャブぬらしたバスタオルを体にかけてみる。

敷布をバケツに漬けて、そのままベッドに広げて寝てみる。

いずれにしても、涼しいのは一時で、水はお湯となり、お湯はやがて気化蒸発してしまう。

また、濡らす、乾く、濡らす、、、。

建物を冷やさなくてはだめなんだ、、とばかりに床に水を撒く。

モザイクやタイルの床は水でつるつる滑って危ないばかりで室温は一向に下がらない。

そればかりか、水を撒いたことで瞬くまに蒸発し、湿度が上がってしまって

かえって蒸し暑いことになる。

そのように、どんな苦労も壁の熱は奪えず、眠る時間がなくなっていく。

そこで、ハタッと思いつき、枕を抱えて屋上へでる。 そこは室内よりはるかに涼しい。

ルンギーというコットンの薄地で出来ている布地を体にまいて、横になる。

そこで見られる天体ショーはすばらしい。こんなにたくさんの星があったのかと

思うほど、地上と反対側の地上まで星が埋め尽くす。 それが信じられないくらいの速さで移動する。

ヒシャクの形をした星があっと言う間に動いていく。 この時期はいくら願っても雨は降らない。

熱いのはいやだが、こんな経験できるのもそのおかげだと思えば夜もたのしい。

早朝、いくつか先のビルの屋上で動くものがあった。若い女性のシルエットが建物に駆け込む

所だった。 体には何もつけていなかった。 こちらも驚いたが、向こうも驚いたらしく

期待した翌日の夜、その屋上には姿がなかった。 こんな熱い日がこの時期3週間ほど

続くらしい。 冷房つきのホテルに住めるほどの軍資金がないと 避けることができない。

幾日か寝不足が続く、、。

そんな時このSimlaは涼しくて、デリーに比べれば別天地、、、と聞いた。

Simla(シムラ)とは、デリーから北にある避暑地ということである。

 イギリス統地時代なのかその昔、冷房などの設備がなかったころ(お金の無い人は現在でも)、

インド政府はSIMLAを夏の首都として位置づけ、政府そのものを移転して仕事をしたそうだ。

そこで、私もデリーで昔のような暑さを体験したうえで、Simlaのありがたさを試してみることにした。

簡単に言えば、余りにの暑さから寝不足となって逃げ出すことにしたのだ。

バスターミナルへ行けばたくさんのバスがあるから、、と言われ、シムラへ行って見ることにした。

どのようなところかみて見たいとの好奇心が後押しした。

バスは、チャンディガルという中継所をへて シムラへ向かう。

チャンディガルのあるパンジャブ州はあのターバン姿のシング教徒の故郷である。

インド人=ターバンだと思っていた時期もあったがいまやバスの中身はターバンだらけ、

チャンディガルは、とてもきれいな町である。 建物が整備され、同じような建物が規則正しく並ぶ、

今までみてきたのは不規則な建物の連続で構成していた町並みだったが、ここでは整列されていた。

この町で一泊した。市内にあったゲストハウスを紹介された。一戸建ての大きな屋敷の部屋を貸し出している。

庭には大きな黄色いバラの花が咲いていたのを覚えている。 デリーの暑さは感じられない。

次を読む